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客を見送り、親や親戚への挨拶を済ませると、ようやく私たちは役目を終えて解放された。
でもそれは私にとって別の緊張の始まりでもある。
和樹さんと二人きりで、スイートルームの夜を過ごすことになるのだから。
担当者に案内された部屋はとても豪華で、設備の説明の間、私はしばし疲れも緊張も忘れ、突っ立ったまま室内を見回していた。
「疲れたでしょう」
担当者が退室していよいよ二人きりになった時、和樹さんの第一声は労わるように優しかった。
「和樹さんも」
二人がいるのはソファーとダイニングがある大きなリビングのような部屋で、ドアのない続き間にはベッドルームがある。
なるべくそちらは見ないようにした。
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