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「社会福祉士になって、具体的にはどんなことをしたかったんですか?」
「……児童福祉に関わりたかったんです」
私は小さな声で打ち明けた。
金持ちの気まぐれで手を出す分野ではない、と父には言われた。
お前に虐待や貧困の何がわかる、と。
反抗したかったけれど、痛い所を突かれたのも事実だ。
「どうしてそんなに恥ずかしそうに答えるんですか? 立派な志なのに」
運転する横顔を見上げ、それからまた俯いて、緊張していた頬を緩めた。
和樹さんにも否定されるのではと思っていたから、嬉しかった。
「金持ちの気まぐれはかえって迷惑だって言われて、諦めてしまったんです。お前に社会の何がわかるんだって」
「ああ、それを言ったのはお義父さんですね」
隣で彼の笑う声がする。
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