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「確かに結衣さんは世間知らずかもしれませんが」
「ごめんなさい」
「謝ったら駄目ですよ。罪でも何でもない。あなたは目隠しをされて育てられたようなものだから」
また謝りそうになり、言葉を飲み込んだ時だった。
彼の口から思いがけないことを言われた。
「貴重なものだと思います。優しくて純粋で」
これは褒められたのだろうか?
まるで独り言のような口調だったので、わかりにくかった。
でも、もしそうだとしたら、彼から褒め言葉をかけられたのは初めてだ。
たったこれだけの言葉なのに、顔から蒸気が出ているのではないかと思うほど頬が熱い。
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