籠の鳥の孤独ー2

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「どうしてこんなに忙しいんでしょうね? 結婚前はここまでじゃなかったと思うんですけど」 「もうすぐ専務に昇格するから、それもあるわよね」 「えっ?」 思わず驚きの声を上げてしまった。 専務に昇格なんて、私は聞いていない。 「えっ、結衣ちゃん知らなかったの?」 先輩も驚いている。 当然だろう。仮にも私は〝妻〟なのに……。 「うっかり聞き漏らしてしまったんだと思います。バタバタしてたし」 あまりに情けないのと、私たちの現状を理子以外に知られてはならないという重圧で、私は引きつりながら何とかごまかした。 「いつ決定したんですか?」 「内示は少し前かな? 月末の株主総会で正式決定よ」 「そうなんですか……」 それが終われば、少しは早く帰宅できるようになるだろうか。
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