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週末、私は和樹さんと共に夏目家を訪れた。
食事の名目で父に呼ばれたせいだ。
自分たちの実態がばれてしまいそうであまり気乗りはしなかったけれど、和樹さんと丸一日過ごす口実があるのは嬉しかった。
こんな用事でもなければ、彼は理由をつけてまた仕事に行ってしまいそうだ。
「ごめんね、主人が呼びつけちゃって……。新婚さんなのに」
玄関で母が申し訳なさそうに和樹さんに謝った。
「いいえ、とんでもない」
和樹さんは朗らかに答えているけれど、私は彼がうちの父を好いていないことを知っている。
リビングに通されると、父は出迎えもせずどっかりとソファーに座っていた。
その態度に何となく私までがむっとする。
長年、父を見てきたから余計に邪推してしまうのかもしれないけれど、父はこうやって和樹さんより自分が上位であることを示しているのだ。
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