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湿った空気を払いたいのと、私たちの結婚が宮瀬を守るためだということに立ち返り、私は明るく笑ってみせた。
「いろいろありましたけど、和樹さんがいるから会社は大丈夫ですね」
「そうよ。本当に頼もしいわよ。近くで見てると仕事ぶりがすごいの」
「そうなんですか?」
私は思わず身を乗り出した。
「惚れ惚れしちゃうわよ。英語も上手いの!」
「知りませんでした……」
まあ、英才教育を受けたのだから当然と言えば当然なのかもしれない。
でも聞いてみたい。
「いいなぁ、先輩。彼が英語を喋るの聞けて」
「お願いしてみたら?」
「できませんよ。ほとんど家にいないのに」
先輩の冗談に笑って手を振る。
私より先輩の方がよほど和樹さんと一緒にいる。
そういう意味でも羨ましかった。
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