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「新婚さんなのにね」
「そうなんです」
俯いてカフェラテに描かれた小鳥の泡をスプーンで少し崩した。
彼のことが苦手だったはずなのに、いつのまにか私は和樹さんと一緒にいたいと願うようになっている。
手料理を食べてほしいし、一緒にテレビを観たり、買い物に行ったり、夫婦らしいことがしたい。そして私に触れてほしい。
彼に求められたかった。
「忙しすぎますよね。頑張ってお料理しても空振りが多いです」
「そうよね。だいたい会社の時間中に食事してるもの」
「社食ですか?」
「社食はあまりないかな。ビジネスの接待もあるし。そうでない時も外ね」
「そうですか……」
〝そうでない時〟は誰と食べているのだろう?
知りたかったけれど、あまり突っ込んで聞けなかった。
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