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「いつも遅いって言うけど、何時頃家に帰ってくるの?」
野々花先輩の質問に私は正直に答えた。
秘書である先輩には見栄もごまかしもきかない。
「だいたい日付が変わってからです。一時とかもありました」
「え? そうなの?」
「……何かおかしいことが?」
先輩が怪訝そうに聞き返したので、急に私は不安になった。
今の今まで、和樹さんは仕事で遅いのだと思い込んでいたのに。
それだけでも悩みが深かったのに、会社と家の往復だけではなかったのだろうか?
「毎晩遅いの?」
「ほぼ、そうです……」
不安と苦しさで声が小さくなっていく。
宏樹さんの時は彼がどう行動しようと見過ごせたのに、なぜ和樹さんの行動がこんなに私を苦しめるのだろう?
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