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朝になって起き出してみると、リビングの勉強道具はきちんと重ねてあり、キッチンも片付いていた。
驚いたことに、和樹さんはかなり深夜帰宅だったはずなのに、テーブルに出したままだった食事を食べてくれたらしい。
ということは──。
回想に耽る自分がすでに綺麗になっているマグをいつまでもすすぎ続けていることに気づき、水を止める。
じゃあ私はどうやって寝室に移動したの?
リビングのテレビは消えていたけれど、リモコンがあったのは和樹さんがよく放置する場所だった。
もしかして和樹さんが片付けて、私を抱きかかえて寝室まで……?
「うう……」
その状況を想像して私は顔を覆った。
目覚めないなんて、私はなんてもったいないことをしたのだろう。
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