籠の鳥の孤独ー4

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「……うちの両親のせいですか?」 「違います」 孤独なままでは籠の鳥は死んでしまう。 身体だけでもいい、触れて、撫でて、愛される夢を見せてほしい。 「夏目の両親に何か言われたんですか?」 「いいえ」 首を横に振ると、洗いざらした髪の仄かな香りも揺れた。 「誰に言われたからでもなく、私の意志です」 「なぜ……?」 どうしても譲らない私に、彼が茫然と尋ねた。
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