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「結衣ちゃん、呼び出してごめんね」
「いいえ、野々花先輩こそ貴重な早帰りの日なのに」
場所は前回と同じカフェだ。
いそいそと誘いに乗った前回と違い、私は嫌な予感に内心怯えていた。
今日も和樹さんは出張なので、先輩はその貴重な日を逃すまいとメールしてくれたに違いない。
和樹さんに関して重要な──それも吉報ではない何かがあるということなのだろう。
「あのね、結衣ちゃん。持って回った説明しても仕方がないから、私が聞いたことそのまま伝えるね」
野々花先輩は硬い表情で前置きなしに切り出した。
「つらい話かもしれないけど、落ち着いて聞いてね。知らないよりいいと思うの」
「……はい」
嫌な緊張で、すでに胃がどうにかなりそうだ。
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