籠の鳥の孤独ー4

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「大丈夫?」 水を飲み、深呼吸して座り直した私を、野々花先輩が見守っている。 和樹さんはさぞ私が憎かっただろう。 結果として親と一緒になって彼を結婚に追い込んでしまったのだから。 でも、誰かから奪うことになるなんて、あの時は知らなかったのだ。 「これからどうすべきかだけど、彼を問い詰めない方がいいと思うの」 「……はい」 そうなのだろう。 離婚せずにまとめたいなら、不倫を問い詰めて白黒つけようとするのは逆効果だと聞いたことがある。
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