目隠しの愛ー1

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「好きでもない男に、結衣さんはそんなことができますか?」 好きですと言いそうになって止めた。 そんな言葉が彼にとって価値も説得力もないことはわかっている。 彼はきっと私がギブアップすることをわざと言っているのだろう。 他の人を愛しているから……? 心に疼くのは哀しみなのか、意地なのか、愛なのか。 私が無言で身体の両側に下ろしていた手を胸元のボタンまで上げると、また彼の目が動揺で揺れた。 彼を見つめたまま、一つ目のボタンを外す。 細い肩紐のナイトドレスは小さな貝ボタンで前止めになっている。 二つ目、三つ目。 一つ外すごとに切なさが込み上げた。 きっと大好きな人に脱がせてもらうためにあるのに……。 今、私がやっていることは、婚約で和樹さんを結婚に追い込んだことと同じなのかもしれない。
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