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秀一side
はぁ…ったく、笑っただけであんな追いかけてくるとか…
にしても、本当に律は昔っから体力ねぇな。めっちゃ息切れて過呼吸なりそうになってっし…
昔から体も弱いもんな。
そう昔から。いっつも笑顔で秀って呼んできて。よくわからんアニメの話とか永遠に聞かせたりしてきて。喜怒哀楽が激しくて。すぐ泣いたり笑ったりして。
そんな律を見てると普段笑わない俺だけど、自然に笑顔になれて。悩みとかも忘れられて。
だから。
"あの時"こいつを守りたいと思った。
この気持ちはなんなのだろう?この胸の奥が暖かくなる気持ちになんて名前をつけたらいい?親友としての友情?兄弟愛みたいなもの?
いや、違う。
これは
俺の中に確かにあるこの気持ちは。
"恋"だ。
多人数の前だとまともに話せなくてすぐどもる律が、体力がなくて大した距離走ってないのに息絶え絶えになってるのに俺に文句を言う律が、その姿が、ひどく愛おしくて。
いつの日だったか、俺に撫でられると安心するから俺の手が好きだと言ってくれたことを思い出しながら、その頭を優しく撫でた。
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