実は

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カタカタカタカチッカタカタカタ……… パラパラパラパラパチンッ カリカリカリ………… 学校の中のとある一室。今日もパソコンのキーボードを打つ音、資料をまとめ、ホチキスで留める音、資料に何かを書き込む音…さながらオフィスの中のような音が鳴り響いている。 「蓮、起きてください、ここに間違いがあったので直しておいてください、正しくはこっちです。夕葉、ここの予算の記入をお願いします。空、奈帆は量が多いのでこの資料を2人で先生に届けてきてください。要、またあなた寝てなかったでしょう。睡眠をとらず倒れられたら困るんですよ、会長なんですから自分の体調管理もしてください。仮眠でもとってきなさい。みなさん、手を止めている時間はないですよ、会議が急に決まって仕事の締め切りが前倒しになったとはいえきちんと時間内に終わらせなくては生徒会としての資格はありませんよ。あと1時間しかないんですから急ぎますよ!」 生徒会副会長、柊深雪(ひいらぎみゆき)は生徒会の仕事現場の指揮に追われながら仕事を淡々と片付けていた。 「みーちゃーん」 「先生って」 「「眞鍋っちでいいんだよね?」」 「そうですよ、きちんと顧問に提出するんですよ、なるべく早く帰ってきてくださいね」 「そうと決まれば」 「「いってきまーす!」」 そう元気に生徒会室を出たのは双子庶務の結城空(ゆうきそら)と奈帆(なほ)。 「う"ーねみぃ、だりぃ…間違ってるのってここもだよな?ついでに他の資料も確認するから何枚か貸してくれ」 ダルそうにしてはいるものの、きちんと仕事をこなすのは、生徒会書記の田塚蓮(たづかれん)。 「みゆみゆ〜、この資料の予算の書き込みは終わったよ〜!あと予算の計算はこの資料の分だけで全部だよね?これもやっちゃっていいやつ〜?」 「仕事が早くて助かります、夕葉。はい、その資料で予算関係は終わりなのでそれに書き込みが終わったらそれをこの用紙に書いてある枚数文コピーしてまとめておいてください。」 「りょ〜かい☆」 金髪で制服も着崩した典型的なチャラ男だが、頭の回転が早く、仕事が早いのは、生徒会会計の高峯夕葉(たかみねゆうは)。 そして…
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