目隠しの愛ー2

13/23
前へ
/23ページ
次へ
理子ちゃんは満面の笑みを浮かべた。 「うまくいってるんだね。よかったね」 「……うん」 「やだ、否定しないんだから!」 「じゃあどう言えばいいのよ」 日替わり定食を受け取り、理子ちゃんと笑いながら空いている席を探した。 社食は大混雑で、なかなか空席が見つけられない。 「あ、あそこ空きそうだよ」 そう言って理子ちゃんが移動を開始する。 理子ちゃんは席取りがとても上手だ。 私ときたらモタモタしていて、ちっとも役に立たない。 理子ちゃんは「育ちがいいんだよ」と笑うけれど、我ながら使えない人間だなと何かにつけて思う。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

492人が本棚に入れています
本棚に追加