目隠しの愛ー2

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「最近ちょっと感じてた」 空いた席にトレーを置きながら理子ちゃんが言った。 「感じてたって、何を?」 理子ちゃんを見習い、私も素早く向かいの席を確保しつつ、何気なく聞き返した。 「結衣、ここんとこ急に色気が出てきた」 「色……」 ちょうど置こうとしたトレーが滑って、お味噌汁をこぼしそうになる。 「はは、図星だ」 「違うって」 「いやいや。ほんと新妻って感じ。お肌ツヤツヤだし、愛されてる感が」 「もう、やめてよー」 台拭きでテーブルを拭いていた私は、視線を感じてふと顔を上げた。 理子ちゃんの背後の通路には、トレーを持った野々花先輩が立っていた。 その横には先輩の秘書仲間が二人ほどいて、残念そうな顔で遠くをきょろきょろと見回している。 どうやら私たちと同じ席を狙っていたらしい。
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