目隠しの愛ー3

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「休暇初日の、それもこんな夜分に……。悪いね」 やれやれといった様子で彼がベッドに寝転んだ。 「昼間は遠慮したのかもしれないですよ」 一応フォローしてみたものの、実は内心不満だ。 食事の後のまったりとした時間に水を差されてしまった。 夕方から何度か鳴っていたメールも野々花先輩かもしれない。 「急ぎだったんですか?」 「まあ……そうかな」 和樹さんは言葉を濁しただけで、それ以上の説明はしてくれない。 専務ともなれば秘密事項は多いはずで、当然のことなのかもしれない。 でも妻でありながら疎外されているようで、いじけた気分になってしまう。
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