518人が本棚に入れています
本棚に追加
「休暇初日の、それもこんな夜分に……。悪いね」
やれやれといった様子で彼がベッドに寝転んだ。
「昼間は遠慮したのかもしれないですよ」
一応フォローしてみたものの、実は内心不満だ。
食事の後のまったりとした時間に水を差されてしまった。
夕方から何度か鳴っていたメールも野々花先輩かもしれない。
「急ぎだったんですか?」
「まあ……そうかな」
和樹さんは言葉を濁しただけで、それ以上の説明はしてくれない。
専務ともなれば秘密事項は多いはずで、当然のことなのかもしれない。
でも妻でありながら疎外されているようで、いじけた気分になってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!