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会社経営において情報の扱いがデリケートであることは小さな頃から見て育ってきたのに、何たるわがままだろう。
経営への理解が私の利点なのに、彼の立場を思いやれないなんて。
それでも拗ねた気分でいると、和樹さんが手招きした。
「おいで、結衣」
内心の濁りを隠し、彼に誘われるまま立ち上がる。
彼の元に歩み寄りベッドに腰かけると、そこからは和樹さんの思うままだ。
「素直だね……」
彼の声が耳をくすぐった。
〝あなたは従順すぎる〟
あの時と今の私は違うの……。
私が望んで従順になるのは、あなただけなのに。
彼の腕の中で、声に出さずに呟いた。
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