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「夏目のお義父さんは別荘が好きなんですね。うちの親は海外旅行好きでね。それもパリとかニューヨークとかじゃなくて変わった場所」
「あ、よくお土産をいただきました」
「かなり使い道に困る物もあったでしょう」
「いいえ…………はい」
どこかの遺跡の模型を思い出して私が正直に答えると、和樹さんが笑い出した。
「それどうするんだ、っていうものを〝結衣ちゃんに〟って張り切って選んでましたね。止めても聞かないんですよ、うちの父は変わってるから」
「毎回楽しみでしたよ。今度は何だろうって」
大好きな宮瀬の両親の顔を思い浮かべて微笑んだ。
「当時は面倒であまり一緒に行きたくなかったんですが、今思えばいい経験だったかな。まあその教育成果が出過ぎて、兄は風来坊の真似事みたいなことをやらかしていますが」
タブーの話題だというのに、風来坊と聞いて笑ってしまった。
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