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「俺も久しぶりにあいつらと飲んで、楽しかった」
答える声がなくて振り向けば、泰輔が床を睨むように俯いていた。
ただの感想で他意はなかったけど、俺の発した言葉に何か思うところがあった様子だった。
「な、コーヒーある?」
泰輔は俺の言葉にぱっと顔を上げると、大きく頷く。
「すぐ用意する」
何をそんなに慌てる必要があるのか、急いでキッチンへと向かった。
十分もしないうちに、香ばしい匂いとともにマグカップを持った泰輔が戻ってくる。
「何か摘まめるものがあればよかったんだが」
「お構いなく……ああ、そういえば」
引き出物が入った紙袋を手繰り寄せて、一番上に載っていた透明のパッケージを取り出した。
「ちょうどいいのがあった」
パッケージを開いて、クリスマスカラ―で飾り付けられた小袋を出す。よく見るとクッキーの表面にも、ツリーやサンタの絵柄が描かれていた。
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