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六月に入ってからは、さすがにバイトのシフトを減らした。
泰輔は無理して食事を作らなくていいと言ってくれたが、それは断った。遠征で家にいない日以外は変わらず食事を用意した。
泰輔の調子は相変わらずだ。打撃は精彩を欠き、守備では時折らしくないミスをする。
七月、ついに夏の大会へ勝ち進むための地方大会が開幕した。グラウンドには選手たちの保護者だけでなく、地域の大勢の人が応援に駆けつけてくれた。
負けたら、もうその時点でそれが最後の試合になる。引退して、それぞれが本格的な受験勉強や就職活動のスタートになる。
みんな一秒でも長くこのメンバーでプレーするために、必死でボールに食らいつき、これまでにない集中力で打順を後ろにつなぐ。
実力差は拮抗しているように見えた。俺はなんだかもうそれだけで胸がいっぱいになっていた。諦めない部員たちの姿に、胸が熱くなって、過去の記憶がちらついた。
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