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「佑輝……俺を縛ってくれ」
乱れた息の合間、泰輔が思いもよらない言葉を口にした。
「なに、そういう趣味あったの?」
思わず動きを止めて泰輔を見上げる。
「違う。俺を動けないようにしてくれ」
切羽詰まったみたいに懇願した泰輔は、どうにか自分を鎮めようときつく目を閉じた。
「もう二度と、自分勝手に佑輝を傷つけたくないんだ」
泣きそうに顔をしかめた表情に、胸が引き攣れる。
俺は泰輔の顔へと手を伸ばして、慰めるように頬に触れた。
「だから、今は違うだろ」
もう片方の手を、泰輔の心臓の上にひたりと添える。
「今はちゃんと、ここが繋がってんだから、お前に何されたって俺が傷つくわけがない」
泰輔は大きく目を見開いた。
そのまま固まってしまった泰輔に、促すようにキスをする。反応を窺うように瞼を開いたまま繰り返しくちづけたら、四回目のキスで強く抱き寄せられた。
「ん、……ン、ぅ」
思わず声が漏れるような深いキスに応えていると、今度は逆に俺がシーツの上に押し倒される。泰輔は俺の首筋や鎖骨に吸い付きながら、履いたままだった俺のスウエットを、下着ごと性急に取り去った。
腕を掴まれ、強引に引かれて、俺の身体はうつぶせの格好になる。
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