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「でも週刊誌には、まゆりんは泰輔さんにメロメロで、周囲に泰輔さんファンを公言してるって書いてありましたけど!」
「本人が実際にそう言ったのかはわからないだろ。ああいう報道をそのまま鵜呑みにするな」
泰輔はややうんざりしつつも、問われたことにはちゃんと答える。
「うわっ、なによその余裕! きーっ!」
犬の威嚇のように歯を剥き出しにして唸る下田には、思わず笑いをこぼした。
「もういいだろ。腹減ったから、早く食べよう」
男たちの嫉妬と羨望をなだめ、泰輔は鍋がセッティングされたテーブルへさっさと向かう。まゆりんのことは気になりつつも、早くメシと酒にありつきたい一同はぞろぞろと続いた。
「えー、それでは、我らが朝倉泰輔選手の本年度のすさまじい活躍を祝しましてー、今日は大いに飲んで食って騒ぎたいと思います! かんぱーい!」
下田の声に続いて、みんな缶ビールを掲げる。
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