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結局、泰輔を含めた三人がコンビニへ出掛けていき、室内が少し静かになる。残ったメンツは、まゆりんや他の女子アナについて語り始め、話題は段々と最近流行りのアイドルに移行していった。
ふと、トイレに立ったまま佑輝の姿が見えないことに気付いて周囲を確かめる。
見回すと佑輝はすぐに見つかった。俺は缶ビールを片手にバルコニーに近づき、大きなガラスの扉を開けた。
「なに一人でたそがれてんだよ」
バルコニーの柵に肘をついていた佑輝が振り向く。
「んー? なかなかいい空だなぁとか思って。ちょっと寒いけど」
夕日が沈みかけて、昼と夜が混じった空を雲がゆっくりと流れていく。確かに幻想的な光景だった。
「こんな時間から飲んだのとか久しぶり」
佑輝はそう言って缶ビールを一口呷る。俺は隣に並んで、同じように缶に口をつけた。
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