【After Story】残照

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 佑輝がいなくなって二年ほどが経った頃、俺の結婚が決まった。自分の新たな門出には、二人がいてほしかったし、二年という時間はわだかまりを流すには十分だと思った。  どうにか佑輝の実家に連絡をつけて現在の居所を突き止めた。連絡をしてみると、佑輝は驚くくらい何事もなかったみたいな態度だったし、あっさりと結婚式にも出席してくれると言った。  これをきっかけに、また二人を含めた仲間たちの交流が再開されることを願った。  地方の高校野球部で監督をしているという佑輝に会いにいくことになり、泰輔も誘ったが返事は芳しくなかった。会いたい気持ちがあるのを確かめたあと、強引に押し切ろうとした。  俺はどうしても、二人の間にある何ものにも代えられない絆を取り戻してほしかった。
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