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「……俺に、会う資格はない」
「だから、資格ってなんだよ、そもそも、そんなもんないだろ?」
「………………」
泰輔は返事の代わりにテーブルの上に突っ伏した。
「うぉ……唐突だな、おい」
潰れた泰輔を見るのは、もしかして初めてかもしれない。
今夜はこれでお開きにした方がよさそうだと、会計のために呼び出しボタンを押し掛けた時、泰輔が何かを言った。
「泰輔?」
「会えるわけ……な、だろ。俺は……佑を、……した、んだ。時間が、……から、て……許され…こと…じゃない」
「……え?」
小さな声はくぐもっていて、ちゃんと聞き取れなかった。
「なあ、おい、もう一回。泰輔、今なんて言った?」
声を掛けても、揺すっても、泰輔はもう何も言わなかった。
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