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電話で話した時は変わらないと思ったけど、三年近くぶりに会った佑輝は以前とは違う雰囲気だった。うまく表現ができないけど、落ち着いていると言えばいいのか、まとう空気が穏やかな印象がした。
出発の直前まで念押しし続けた泰輔は、来るか来ないかははっきりしないままだった。だから、現れた時は本当にほっとした。
数年ぶりに二人のバッテリーを目にした瞬間は、ずっと見たかった光景に涙が出て、慌てて手の甲で拭った。
それから約一年後の俺の結婚式にも二人は揃って参列してくれた。失くしていた大事なものをようやく見つけた気分だった。あの時、強引に二人の再会をお膳立てしてよかったと思った。
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