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じっと見られると、今さら自意識過剰みたいな言い切りが恥ずかしくなって、半分ほどになっていたサワーを飲んでごまかす。
「とびきり美人で、可愛くて、頭良くて、性格もいいまゆりんに迫られたところで、びくともしないだろ」
それでも気恥ずかしさは完全に消えてくれないから、冗談めかして当人に肯定を求めた。
「もちろんだ。彼女を仕事相手として信頼しているけど、それ以外なんとも思わない。連絡先を訊かれても断った」
揺るぎない気持ちを証明するために放たれたであろう言葉が、少しだけ胸にひっかかった。
『まゆりんは泰輔さんにメロメロで、周囲に泰輔さんファンを公言してるって書いてありましたけど!』
ふと昼間に和田が言っていたのを思い出す。
……あながちあの記事は間違いだけではないのかもしれない。
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