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なんとなく、そのままソファの背もたれに両肘をついて待っていたら、缶を二本持った泰輔が戻ってくる。
「どうした?」
「んー? うん」
意味をなさない返事をしたら、泰輔が小さく笑った。
「佑輝もさっきと同じので良かったか?」
俺の隣りに腰を下ろして、泰輔が尋ねる。
「うーん」
間延びした受け答えをしながら、背もたれに頭を預けて泰輔の方へ身体を向けた。
「眠いのか?」
「眠くはない」
「そうか」
泰輔は俺の分の未開封の缶をテーブルに置いて、もう一本の缶のプルタブを引き上げる。音を立てて嚥下するたびに、喉ぼとけが上下した。
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