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「なあ、佑輝」
「ん?」
「さっきの……もう一回言ってくれないか。びっくりし過ぎて聞き逃した」
「心臓止まるような内容だって覚えてるってことは、聞いてたってことだろ」
「ちゃんとは聞いてなかった」
「だめ。もう言わない」
もう一回言ってやるくらい別にいいだろ、と思うのに、改めて言おうとすると羞恥心が半端なく抵抗感が強い。
だけど、いつも俺には従順な泰輔が、なかなか引き下がらない。
「佑輝」
低い声にねだるように名前を呼ばれて、背筋がぞくっと震えた。
「だめったらだめ。次回から有料制になります。一回百万円な」
冗談で切り抜けようとして、はっと気づく。
「わかった、払う」
「いや、払うなよ。落ち着け」
泰輔が億超えプレイヤーだったことを、うっかり忘れていた。
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