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エピローグ
三月半ば、二軍の公式戦であるイースタン・リーグが開幕した。プロ契約を結んだからといって、誰もが一軍になれるわけではない。それどころか、二軍の試合にすらろくに出ることなく、消えていく選手も山ほどいる。ただただ華やかに見えて、だけどとてつもなくシビアな世界。だからこそ人は惹きつけられて憧れるのかもしれない。
それ程大きくはない観客席に人はまばらだ。土日の試合ともなればもう少し観客が多いのだろうが、平日の昼下がりであればこんなものだろう。
京浜レオパルズは五回裏、二点を追う展開。2アウト二、三塁、逆転のチャンスで、バッターボックスに立った選手が見事に三振した。それ以降点は取られないものの打線がパッとせず、チームはそのまま負けた。
「佑輝!」
試合を見届けて球場を後にしようとしたところで、呼び止められた。
振り向くと、試合が終わった瞬間飛び出してきたのか、ユニフォーム姿の男が肩で息をしていた。それ程人が多くはないとはいえ、関係者や野球ファンばかりの中では、大いに注目を浴びる。
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