第17章 ニセモノの恋人

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奴は忙しなく中とそこを弄り、もう片方の手で服の上から胸を揉んで硬くなった自分のものを腰を弾ませてわたしに押しつけている。完全に発情しきった掠れた声で意地悪に突き放した。 「文句言うな。仕事の隙をみて、慰めてやってんだ、淫乱なお前を…。俺の指、悦んで締めつけ過ぎ。あんまりきつく吸いつくから。もう全然抜けないじゃん…」 「ちが、うの。…は、ぁ…」 もっと怒ってきっぱりと拒絶したいのに。腰の動きが全然止められない。彼の指を中で味わうように回しながら、その手を自分から溢れるものがぐっしょりと濡らしていくのを感じて羞恥に身震いする。…あぁ。 ここは仕事するとこだし。ついさっきまで、エッチな気分なんか自分の中のどこを探してもかけらもなかったはずなのに。 ほんのちょっと弄られただけでこんないやらしいわたしになっちゃうなんて。正直言ってかなりショックだ。 わたし、いつからここまで。感じやすい身体になっちゃったんだろう…。 この男にじわじわと仕込まれて、何もかも言いなりに調教されつつある、っていうこと? 「あぁ…、も、だめ」 わたしは身を捩って半泣きの声を小さく漏らした。 「こんな、とこで。中途半端にされたら。…わたし、切なくて。つらいよ、もぉ…、こんなの」     
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