第18章 スイーツは別腹

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「…そりゃ、今度の彼女との関係が落ち着いて起動に乗るまではさ。少し我慢して待っててもらわないといけないし、そこは申し訳ないとは思うけど。…でも、頃合いを見てちゃんと戻ってくるから、絶対。埋め合わせに頑張ってその分いっぱい満足させてやるつもりだし。様子見て、会う間隔もあまり空けないように。並行して上手くやれる自信あるからさ」 「…うん。そうだね」 わたしはぼんやりと口先で相槌を打った。 なんか、もうちゃんと話をする気がしない。 わたしのことをそんな風に思ってたのとか。そこまでしてあんたと続ける気なんかこっちにはないとか。 いちいちやり取りするのももの憂い。どう思われてたっていいや…。 奴が生真面目な表情でわたしの手を両手でぎゅっと握った。 「桃、約束だよ。少しの間だけ我慢して、俺のこと待ってて。大丈夫、ちゃんと彼女と遜色なくお前のことも大切にするからさ。俺たちこれからも上手くやっていけると思うよ」 宥めるつもりなのか、わたしの手の甲をこの上もなく優しい手つきでそっと撫でる。 「まあそりゃ、多少は今までより会う都合がつけにくくなるとか。人目をはばかるようなことにはなるかもしれないけど。でも、そんなこと気にならないくらいお前を可愛がって満足させてやるから、これまで以上に。…なんたって俺たち、お互いのために生まれたってくらい身体がぴったりなんだから。絶対後悔はさせないよ。…俺を信じて」 なんかいっぱい喋ってる、この人。     
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