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「中途半端に言わないでくださいよ」
ダメ元の質問だったのに悔しい気持ちになり、調理に集中する。
材料と調味料をすべて投入すれば、あとは煮込むだけだ。
「あーあ、拗ねちゃって」
後ろから聞こえてくる挑発は無視し、他のメニューを作り始める。
「俺は誰の味方でもないけど、結衣ちゃんの立場が危なくなるようなことがあればちゃんと言うよ。そのために帰ってきたんだから」
思わず振り返り、宏樹さんの顔をまじまじと見た。
一言一言に重大な秘密が隠されている気がする。
私の立場 が危なくなるって何?
そのために帰ってきたって何?
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