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「二人に何かあるんですか?」
「そこまでは知らない。でも横谷が結衣ちゃんをよく思っていないことは確かだね。なぜならあの女は以前から 和樹を狙ってたからね」
エンジンをかけたままだったことに気づき、震える手でキーを抜く。
何か話題とは別のことをしないと、不安で胃がせりあがってきそうだった。
でも狭い車の中では逃げようがない。
「横谷から何かされなかった?」
「……色々と、マイナス情報を言われました」
そこで私は、結婚以降の野々花先輩とのやりとりを宏樹さんに打ち明けた。
「それ、メールで言われたの? あったら見せて」
「いいえ。全部直接か電話です」
「やっぱりな。迂闊に証拠を残したりしないんだな」
宏樹さんは鼻で笑った。
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