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『宮瀬には感謝してるわ。あれだけの大企業がお父さんみたいな夏目でも格の低い人間に、ずっと融資を任せてくれてね』
「そうね……」
父は宮瀬のお陰で威張れていたようなものだった。
だから宏樹さんが逃げた時、何が何でも縁談を白紙にしたくなかったのだ。
これまで父は宮瀬の融資のアキレス腱だと言われてきたけれど、交渉能力の高い和樹さんが実際の指揮を執るようになった今、それがまやかしであることが証明されてしまった。
実際には、父のアキレス腱が宮瀬だった。
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