裏切りの予感ー2

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ところが翌日、私は一人で中古車販売店を訪れていた。 和樹さんに急に仕事が入ったらしく、出勤してしまったからだ。 「一日延ばしてもらう? 明日なら大丈夫だと思うんだけど」 和樹さんはそう言って謝っていたけれど、私は密かに決意を固めて自力で車を家まで運転することにした。 和樹さんをびっくりさせたかったのだ。   とはいえ、実際に店頭で車のキーを手渡されると脚が震えてきた。 「ありがとうございました!」   販売店の社員総出での見送りの列が、さらに私を困惑させる。 運転席に乗り込んだ私はしばらく悩んだ後、ひどく決まりの悪い思いをしながら再び車を降りた。 一列に並んだ面々はいったいどうしたのだと言いたげに怪訝な表情になっている。 これまでの人生でここまで恥ずかしい思いをしたことはなかったかもしれない。
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