第１４話 裏切りの予感ー２

裏切りの予感ー２

「あの……。エンジンはどうやってかけるのでしょうか……。数年前の教習車とはタイプが違うみたいで……」

それを聞いた一同は私のレベルを初めて知ったようで、当惑顔になった。

「やはりお連れ様と一緒にお越しになった方が……」

「いえ、今日乗って帰ります。エンジンさえかかれば、運転はきっとどうにかできますから」

ここで負けてはこれまでの私から変われないと思い、意地を張る。
担当者にエンジンのかけ方から止め方、ブレーキとアクセル、ウインカーとワイパーのレバーを間違えないようにと懇切丁寧な説明を受けたあと、不安げな視線の中、私はヨタヨタと蛇行しながら店を出発した。