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「ねえ。結衣ちゃんは、二人のうちどっちがタイプ?」
野々花先輩が身を乗り出して、小声で聞いてきた。
いきなり核心を突かれて言葉に詰まる。
宏樹さんだと正直に答えたいところだけど、彼女は以前から私の縁故入社に何か事情があるだろうと踏んでいるようなので、私は用心しながら答えた。
「どちらも素敵なので、選ぶのは難しいです」
「もう。やっぱり優等生ね」
野々花先輩はやれやれという風に笑ってから、本部長室の方を眺めた。
「私は和樹派だなぁ」
「そうなんですか」
「何を考えてるのか読めないクールな感じ、素敵じゃない? もちろん常務もイケメンだし気さくだし素敵だけど」
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