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「横谷先輩との関係は?」
「ただの秘書。……のはずなんだが」
彼の言葉を聞いて、腕の中で身体が強張った。
でも彼が続けた説明は、私を別の意味で驚かせた。
「今日、横谷には異動を言い渡した。でも彼女は退職を選んだよ」
「えっ……?」
「表向きの理由は情報漏えいだ。仕事上では部外者のはずの結衣に、私怨で色々漏らしていただろう? でも本当の決め手は結衣に対する嫌がらせだよ。それを今日知って、つい堪忍袋の緒がプツッと切れてしまった。僕に対するアプローチに内心迷惑してたのもあってね」
完璧主義者のはずが私情を挟んでしまったことが決まり悪いのか、和樹さんは顔を掻いた。
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