いつか優しい雨になるー2

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「私にとって、宏樹さんは兄なんです。昔も今も」 「うん」 微笑んだ和樹さんが啄むような優しいキスを降らせてきた。 「宏樹さんに恋したことは一度もなかったんだって……和樹さんに初めての恋をした時に気づきました」 「それはいつ?」 「……秘密です」 啄むようなキスが次第に深くなっていく。 「好き……好き」   どれだけ繰り返しても足りない。 彼の首に腕を絡め、キスをしながら囁き続ける。 「信じて」 「もう信じてるよ」   和樹さんはキスを止めて苦しそうに笑った。 「結婚当初の夜みたいだ」 「何が……?」 「手を出すまいと必死に耐えたこと。結衣を抱くようになっても、我慢ばかりしてた」 「どんな我慢?」   彼の髪に指を通し、頬や首筋にキスをする。 彼が私を欲しがっていることがはっきりわかる。 私も彼が欲しくてたまらない。 どちらが先に負けるか探り合うような、この甘い時間も好きだ。
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