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「おなかすいたね」
エディプスはギクッとした。
「食べるんですか?」
「食べる」
「ぼくを?」
「違うよ。ふつうのごはん」
二人は女中をよびルームサービスを頼んだ。しばらくしてコリンティアコス湾でとれた新鮮な魚介のアクアパッツアとフォカッチャとオリーブのピクルスが届いた。
女中は体力つけないとね~とか言いニタニタ去っていった。二人はペロリと平らげる。
「あ~、お肉がよかったな」
と、スフィンクス。
「じゃあ、お風呂行こっ!一緒入る?」
エディプスの顔は真っ赤になった。
「ジョークです。でもおんぶして連れてってね。ペット入浴禁止とか言われちゃう。ねえ~、わたし毛深い?毛深いの気にしてるの。いっそ、すね毛全部剃っちゃおうかな?でも、下半身つるつるってナマナマしい?」
「剃らないでください」
「は~い、了解」
風呂から戻ってくると、スフィンクスは、キャ~すっぴん~とか言いながら前髪にカーラーを巻いて翼を広げて乾かすと、ベッドに伏せの体勢。
「わたし、ベッド使うから、エディーはソファーね。襲ったら食べちゃうからね~。じゃ、おやすみ」
「お、おやすみ・・・」
こうして怪物とはいえ、エディプスの女子との最初のお泊りは、何事もなく終わったのだった。
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