衝撃の事実

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「なになに?」 「エディーの本当のパパは、テーバイのライオス王なんだよ」 「え~?あのスケベおやじ?」 「そう。で、エディーはライオス王を殺したでしょ?」 「殺してない!ふつうに何のトラブルもなくすれ違っただけだよ!」 「ほんとに?でもテーバイの民はエディプスに疑惑の目を向ける・・・」 「君の目がもう疑惑だらけだよ」 「ほんとに殺してない?」 「ない!道をゆずったお礼に銀貨もらった、ほら、これ!」 「遊ぶ金欲しさの犯行か?」 「違うって!何にもしてない!!!」 「じゃ、信じるけど、可能性は否定できない」 「信じてないじゃん」 「そうなると、黒幕は王妃イオカステとその弟で宰相のクレオーンだな」 「どういうこと?」 「ライオス王は好色で、お忍びで愛人のところに通っているわけで、国庫のほぼ半分をその愛人につぎ込んだ暗愚な王だった・・・」 「いちおうぼくの父かもしれないんですけど・・・」 「見かねた王妃イオカステは、弟で宰相のクレオーンと共謀して、王を峠で殺害し、のちにクレオーンをテーバイの王に即位させるという計画をたてた」 「なんか、ミステリー仕立てになってきた」 「そして、転落事故を装い、馬車ごと断崖から突き落としたのだ。しかし、そこには目撃者がいた。ふふふ、君だよ、エディプスくん」 「いや、目撃してませんけど」 「王妃と弟は、計画の変更を余儀なくされた。つまり、まずスフィンクスに目撃者を襲わせ口封じの殺害を試みた。だが、目撃者は汚い手を使い、スフィンクスをだまし、奴隷のようにこきつかったのだ」 「ちょっと!ぜんぜん話が違ってきてるんだけど!」 「あわれなスフィンクスは、かまど掃除にあけくれ、灰かぶり、つまりシンデレラと呼ばれ舞踏会を夢見るのだが、それはまた別の話」 「勘弁してくれませんか?」
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