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エディプスはテーバイへの道を進んだ。しかし、その後ろから怪物がトコトコとついてきた。
「あの、持ち場離れても大丈夫なんですか?」
「だってあなたがここ通ってテーバイに入ったら、わたし、怪物としての立場ないでしょ?だったら一緒にテーバイに行ってあげよっかなって」
「あげようって、上から目線ですけど」
「旅人くんもスフィンクスを手なずけたって評判になるよ」
「あなたはスフィンクスっていうんですね。でも、遠慮しときます」
スフィンクスはしばらく目を閉じると、口を開いた。
「え~っと、旅人くんはテーバイで王様になれます!」
「え?突然なんですか?」
「わたしは予言ができます。旅人くんはわたしをやっつけたってことで民に感謝され、王様になります。おめでとう」
「でも王様とさっきすれ違いましたよ?」
「ライオス王?あのスケベおやじね。帰って来ないんじゃないかな?」
「どうして?」
「えっと、予言しますね。(しばらく目を閉じる)あ、崖から転落します」
「え~!マジですか」
「マジです。だから旅人くんがわたしを連れて町に入ると、おおお!ってなって王様になります。じゃ、行きましょうか」
スフィンクスは翼をバタバタさせてうれしそう。ようやく持ち場を離れて自由になれたのだ。
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