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お迎え
翌朝、エディプスが目を覚ますと、スフィンクスはもう起きていて、ばっちりメイクと毛づくろいを済ませ、窓の外のピキオン山を眺めながら、しっぽのふさふさで爪を磨いていた。
「おはよう、エディー。よく眠れた?」
「あ、はい(食べられなくてよかった)」
コンコン、ノックの音がした。とっさのことでスフィンクスを背負う時間はなく、あわててベッドに腰かけさせ、毛布で首から下をすっぽりとくるんだ。
昨日の女中が入ってきた。おはようございます~、よく休めましたか~?寝不足でしょう?相変わらずニタニタしている。
「お客様、王宮から遣いのものが来ております」
「お通しください」
コンコン、ノックの音がした。
「どうぞ、おはいりください」
「あ~、王宮からの遣いである。貴殿が怪物スフィンクスを退治した勇者であるか?」
「そうです」
「お名前をお聞かせ願いたい」
「エディプスと言います。コリントス王の息子になります」
遣いは、びくっとすると、1秒後には地面にひれ伏し、
「はは~コリントス国のプリンス殿下であらせましたか。大変失礼をいたしました。なにとぞお許しを」
「いえいえ、小国ですから。おもてをお上げください」
「恐れ入りまする。では、こちらのプリンセスは?」
すかさずスフィンクスが口をはさむ。
「妹です」
(姉だろ!)エディプスは納得がいかない。
「はは~」
さらにひれ伏す遣いの者であった。
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