クイズ

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クイズ

 峠道はピキオン山に続き、ひたすら登りが続く。すると、遠くに何か動物が見えた。 「あれが狛犬みたいな怪物?」  怪物というにはずいぶん小さい。すわっている高さは背の高いエディプスの半分もなさそうである。だんだん近づくとその姿がはっきりと見えてきた。頭から首、胸、おへそのあたりまでは若い女性である。薄いベールを羽織っているが膨らんだ前胸部が透けてみえる。下腹部と手足は毛むくじゃらで、大型ネコ科動物に似ている。毛色は黄色っぽい茶色でやせたライオンのようだが、背中には金色の翼がある。怪物は退屈そうにしっぽのふさふさで手の爪を磨いている。エディプスが近づいてくるのに気づくと怪物は道の真ん中におすわりをして行く手を塞いだ。 「え~、旅の人、旅の人」 棒読みである。 「今からなぞなぞを出します。答えられなければここを通れません」 「え?なぞなぞですか?」 「なぞなぞです。クイズです」 「どうぞ」 「では、よく聞いてください。朝は4本足、昼は2本足、夕方は3本足、な~んだ?」 「ええっと。全部足したら、9本?イカ・タコじゃないのか。ははん、朝とか昼とか夕方はたぶん比喩だな・・・」 「な~んだ?」 怪物は余裕でニコニコ顔である。 「うん?わかったかも!」 「では、旅人よ、答えなさい。お手付きは失格となります。ファイナルアンサー?」 「それは“にんげ・・・・”」 と、エディプスが言いかけると、怪物は大声で叫んだ。 「うああぁぁぁ~!!!」 驚いたエディプスは言いかけた答えをのみこんでしまう。 「あ~、びっくりした。何ですか突然大声なんかだして!答えは“にん・・・”」 「わああぁぁぁ!!!」 怪物はまたしても大声をあげ、メデューサの形相(ぎょうそう)でエディプスをにらみつける。
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