挽歌

11/45
前へ
/100ページ
次へ
その日の夕方6時半頃のことでありました。 実家の大広間にはあずさ以外の家族全員がいまして、晩ごはんができあがる時を待っていました。 今夜の晩ごはんは、菜名のお手製のホイコーローでありました。 大広間の食卓には、台所にいる菜名とまだ帰宅をしていないあずさ以外の家族がいまして、晩ごはんができあがるまでの間、重房の今後のことについて話し合いをしていました。 話し合いを始める前に、長兄の隆信が重房につらい想いをさせてしまったことをわびていました。 「重房ばかりにムリやガマンばかりを押しつけてしまったことが原因で、つらい想いをさせてしまった…重房の結婚のことについては家族の選択ミスだったことを認めるから…家族でじっくりと話し合ってから決めるべきだと想うと…くやんでもくやみきれない…」 隆信は、重房に対してもう少しじっくりと家族で話し合いをする時間を取るべきだったと言いましてわびていましたので、端にいた重信も重房にわびていました。 「重房には悪いことをしたと思っている…芳信の恋愛結婚の時だったか…芳信とちづるさんが予算オーバーしてしまったことが原因で…お前の結婚のために取っておいた貯蓄をいちじるしく消耗させてしまったことで…ガマンさせてしまったことについては…芳信があやまると言うているのだよぅ…おい!!芳信コラ!!」 端にいた芳信は、重信からあやまれと言われたのでコンワクした表情を浮かべていました。 「コラ芳信!!」 「なんだよぅ重信にいさん…」 「オドレとちづるさんが予算オーバーしたことが原因で重房の結婚の条件が劣悪になってしまったことに気がつけよボケ!!」 「どうしろと言うのだよゥ…」 「オドレがひと言ごめんなさいと言えばこらえてもらえるのだぞ!!」 芳信は、重信からの言葉に対してひどくコンワクしていたのでありました。 その時に菜名が特大容器に盛られている大容量のホイコーローを持って大広間にやって来ました。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加