挽歌

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1 (ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!カンカンカンカン!!) 事件はいつ頃発生したのか分かりませんが、たしか2018年11月の下旬ころの深夜11時50分くらいだったと思います。 事件は、福島県内の小さな町にあります農家の家で発生したのでありました。 晴れ渡っている星空の下、防災行政無線のスピーカーから強烈なブザー音と消防団の詰め所のハンショウが鳴り響いている中で、農家の家が激しい炎と黒煙におおわれていて、夜空に細かい火の粉が舞い上がっていたのでありました。 キンリンの住民のみなさまが、悲痛な叫び声をあげながら助けを求めていました。 火災が発生した家は、恐ろしい黒煙と激しい炎で焼き尽くされたのと同時に、家の中にいた家族7人が焼死してしまったのでありました。 亡くなられた家族は、農家の家の夫婦と夫の母親と長女(30歳)と幼いきょうだいたち3人でありました。 長女さんは、夫のケータイに電話をしまして必死になりまして家が大火災に遭っていたことを伝えていましたが、電話が切られていたので伝わらなかったのでありました。 大火災から助かった…いいえ、大火災で焼け落ちてしまった家から家出をしていた娘ムコの毬村重房(まりむらしげふさ・33歳)は、大火災が発生していた時、東京・鶯谷のラブホにいまして、浮気相手の外パブの女と無我夢中でちちくりあっていたのでありました。
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