挽歌

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それからまた時は流れて… 2019年2月24日の深夜11時50分頃のことでありました。 ところ変わりまして、下関市貴船町(きぶねまち)にあります大きな豪邸にて… 大きな豪邸は、北九州の極悪非道のヤクザ組織の親分の別邸でありました。 重房は、東京で浮気相手の女を殺して、福島県で暮らしていた妻の実家の家族の保険金をだまし取った上に浮気相手の女の貴重品とパスポート類などを強奪して足早に逃げ出したあと、この豪邸で親分の付き人をしている知人の男が暮らしているアパートの部屋に転がり込んでいたのでありました。 場所は、豪邸の大広間にて… うす暗い灯りが灯っている部屋には、トバク客の男たち30人と重房がいまして、チョウハン(サイコロのトバク)をしていました。 仕切り役の男が、2個のサイコロを入れ物に入れて下にふせたあと、トバク客たちが次々と札束をベット(かけ)していました。 「入ったーーー!!さあ、はったはった!!」 「丁」 「丁」 「丁」 「半」 「半」 「半」 「半」 「丁」 ……… 「よし、大勝負だ…半!!」 重房は、残りが10万円を切っていた現金を全部かけました。 「チョウハンそろいやした!!ショーブ!!」 仕切り役の男は、入れ物を取りましたあと2個のサイコロの合計をみてから結果を言いました。 「サブロクの半!!」 重房は、見事に2個のサイコロの合計を当てることができましたので、破格の大金を手にすることができました。 この時、知人の男が手招きをしてトバク場にいる重房を呼んでいました。 重房は、ものすごくイヤイヤな表情で知人の男と一緒に豪邸内の別の場所へ行きました。 豪邸内の別の場所にて… 知人の男は、重房に対して『もうええかげんに逃げまわるのをやめて実家へ帰ったらどうなのだ…』と言いまして、おやきょうだいがいる今宿(福岡市西区)の実家へ帰るようにとさとしていました。
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